ホーム > インタビュー「コーヒーと私」 > 小椋久美子【女子バドミントン元日本代表】

コーヒーと私

小椋久美子【女子バドミントン元日本代表】

集中したいときはカフェで。
小椋久美子【女子バドミントン元日本代表】

リオデジャネイロオリンピックのバドミントンで、わかりやすい解説が好評だった小椋さんは、現役引退後にカフェに通ううち、コーヒーに開眼。

 私にとって今年一番の思い出は、リオデジャネイロオリンピックでバドミントンの試合解説をさせていただいたことです。女子ダブルスの高橋・松友ペア(高橋礼華・松友美佐紀選手)が金メダルを獲得する瞬間に立ち会えたことは、一生忘れられない記念となりました。他にも女子シングルス銅メダルの奥原希望選手をはじめ、後輩たちの頑張る姿を間近に見ながら多くの喜びと感動をいただいて、本当に幸せな時間を過ごすことができました。選手を引退してからこのような経験ができるのも、私がスポーツからいただいた宝物だと思っています。

 コーヒーを飲むようになったのも、現役を引退してからです。仕事の資料を読み込んだりまとめたりするのに、カフェで作業するようになり、コーヒーを飲む機会が増えたことがきっかけでした。選手時代まではあの香りに馴染めず、周りの皆はコーヒーでも私一人だけ紅茶、という感じだったのに、あるときカフェラテを飲んでみたら、あ、この苦味とミルクのマッチングが美味しい! と思うようになって。以来、コーヒー好きです。

 もともと私は、家の中よりもカフェのようなざわざわしている空間にいるほうが、より作業に集中できるタイプです。バドミントンは一つの会場にいくつものコートがあって同時進行で試合が行われ、長年、歓声や鳴り物がひしめき合う中で意識を集中させてプレーをすることに慣れていたので、そのせいなのかもしれません。シーンとしていると、逆にダメなんです。おかげでコーヒーと出合うことができました(笑)。ホットならカフェラテやカフェオレ、アイスコーヒーはブラックでいただきます。

オリンピックという舞台で、ベストを出すことの難しさ。

「酸味というよりは苦味派。落ち着きたいとき、集中したいときによく飲みます」と小椋さん。

 現役時代は潮田玲子さんとの〝オグシオ・ペア〟で全日本総合バドミントン選手権5連覇を達成しました。初めて彼女とダブルスを組んだときのことを強烈に覚えています。二人とも高校1年生、ジュニア日本代表の合宿のときでした。お互いシングルスのプレイヤーでダブルスは全く未経験にもかかわらず、試合が始まると何も言葉を交わさなくてもポジションの入れ替わりなど、動きがスムーズにできたんです。スピード感や息の合い方もとても気持ちよくて、ダブルスってこんなに面白いんだ! と感動しました。

 ただ、二人で出場した北京オリンピックでは自分の力を発揮できないまま終わってしまい、苦い思い出になりました。私の場合は自分のプレー以前に、4年に一度しかない大会の重みや日本代表として国民の方々からの応援を背負っていることなど、重圧を意識しすぎて……オリンピック独特の空気みたいなものに飲み込まれてしまったんですね。選手にとって、ベストを尽くせないまま終わってしまうのが最も悔しいということを、私は骨身に沁みてわかっています。だから今回、リオに出場する後輩たちには、たとえ負けても後悔することだけはないように、全力を出し切ってほしいと願っていましたが、結果として、あのような素晴らしい成績を残した選手たちは本当にすごい。あっぱれです。

 今は講習会などで子供たちへの指導も行っています。私がそうだったように、スポーツを通して人生のさまざまなことを経験してほしい。そのきっかけになれたらと思っています。

文・牧野容子 / 写真・大河内禎
ヘアメイク・田中文恵
更新日:2016/12/15

Profile

小椋久美子(おぐら・くみこ)
1983年三重県生まれ。8歳のときにバドミントンを始める。2000年に全国高校総体でダブルス準優勝、01年の全国高校選抜でシングルス準優勝。三洋電機入社後の02年には全日本総合バドミントン選手権シングルスで優勝。その後、ダブルスプレーヤーに転向し、北京オリンピックで5位入賞、全日本総合バドミントン選手権では5連覇を達成。10年1月に現役を引退。

協力/リストランテ・カバカヴァロ  www.cavacavallo.com

小椋久美子【女子バドミントン元日本代表】


  • ラブドリ
  • 10月1日はコーヒーの日
  • 日本インスタントコーヒー協会
  • 全日本コーヒー商工組合連合会