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地球人のコーヒーブレイク

イタリア・シエナ市在住 パオロ・ヤンナッコーネさん

コーヒーは世界の友達。地球上の至るところで味わい、楽しまれている飲み物です。全日本コーヒー協会では、各国の“コーヒー大好きピープル”たちに現地取材。“地球人のコーヒーブレイク”を紹介します。

「世界一美しい広場」を眺めながら傾ける、真心の1杯。
Vol.45 イタリア・シエナ市在住 パオロ・ヤンナッコーネさん

Paolo Jannaccone(パオロ・ヤンナッコーネ 写真左)
職業:カフェ経営
1956年/カターニャ生まれ

 長靴半島の中部に位置するトスカーナ州シエナ。中世の佇まいを残すレンガ色の旧市街は世界遺産に登録されている。街の中心にある貝殻型をしたカンポ広場は「世界一美しい広場」と呼ばれ、毎年夏に2回、イタリア屈指の伝統行事である競馬『パリオ』が行われる。この広場に面してテーブルを広げるのが、1956年創業の老舗バール“イル・パリオ”だ。店主のパオロ・ヤンナッコーネさんは、奥さんの祖父が開業した店を継いで三代目オーナーとなった。スタッフを仕切る彼に、お客さんたちが次々と「チャオ、パオロ!」と声をかけてゆく。

広場に面したオープンエアのテーブルは、たとえ暑い夏でも寒い冬でも特等席  カプチーノは立ち飲みで1.20ユーロ、テーブル席で3ユーロ

 「毎日必ず同じ時間にやってきて、気の合う仲間とコーヒーブレイクを楽しむおじいちゃんグループもいますよ」とパオロさん。今や白髪頭となった彼らだが、なんと大学生時代からの常連なのだそうだ。半世紀以上にわたり店とお客さんの間に、まるでエスプレッソのように濃厚な時間が積み重ねられてきた証拠である。その陰には細かな心遣いがあった。パオロさんは「イタリア人のお客さんは『量は多すぎず少なすぎず。ボク好みのヤツを!』なんて、厄介なオーダをしてくれちゃうんだよなあ」と嬉しそうに笑う。そうした各自の希望を叶えるとともに、その日の湿度にしたがって豆の挽き方を工夫したり、エスプレッソコーヒーに欠かせないダンピング(フィルターに粉を押し詰める作業)にも微妙な調整を加えている。

店の看板バリスタ、ガブリエレさん 中世から伝わるシエナの郷土菓子。 6ユーロ

 いっぽうで、世界中からやってくる観光客への対応にも心構えがあるという。「残念なことにこの国では、一部のバールが外国人客に法外な代金を請求した、というニュースが時折流れます。僕たちサービス業はイタリアの顔。どこから来た人にも再訪したいと思ってもらえるよう、常に誠実であるべきです」。日頃はジョークを連発するパオロさんだが、その言葉には老舗の看板を背負い続ける決意がみなぎっていた。

1euro(ユーロ))=約142円(2014年3月現在)
写真・文=大矢麻里(文)、大矢アキオ(写真) シエナ市在住
更新日:2014/04/01



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