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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
今月はオランダ・ロッテルダムから、コーヒーの新しい活用にチャレンジしているカフェ2軒をご紹介します。まずは、「循環経済」をテーマにしたカフェ。コーヒーかすで育てたキノコやコーヒーの皮を利用したお茶など、環境にやさしいシステムが話題となっています。

エコロジーに特化、新しいコーヒーの味わい方。

Vol.75 オランダ:アロハ(ALOHA)
www.alohabar.nl

オランダ:アロハ

マネージメントスタッフのリナ・ムルダーさんが手にしているのは、アロハ自慢ヒラタケビターバレン(5.50ユーロ)。添えられているのは、コーヒーマヨネーズ。ビターバレンの素材のヒラタケは、アロハで出るコーヒーのかすを培養土にして栽培されたもの。コーヒーマヨネーズも、コーヒーを入れる際に流出してしまう余剰分をマヨネーズとミックス。

 レストランカフェ「アロハ」が居を構える風変わりな巨大建造物は、1988年にジャンボプールとして建てられたもの。だが、2011年にプールが倒産すると、マース河岸の好ロケーションで空き家となった建物の使い道に困ったロッテルダム市が、「アロハ」や、ヒラタケを栽培する「ロッテルスワム」他、若いスタートアップたちにこの場所を提供した。
 こうしてスタートを切ったアロハは、以来、廃棄物を積極的に再利用する新時代の循環経済の確立を目指し、ユニークな試みを続けている。

オランダ:アロハ

[上左] コーヒーの皮「カスカラ」は、甘酸っぱい味が特徴。アイスティー(3.50ユーロ)や、カクテルやデザートに使うシロップの材料になっている。[上右] かつてはジャンボプールだった「アロハ」は、ランチ、ドリンク、そしてディナーまで幅広く活用できる人気のカフェレストラン。[下]丸い形のコロッケ「ビターバレン」(5.50ユーロ)。マヨネーズを添えて。

 そんなエココンシャスなビジョンを反映したメニューもまたユニークだ。例えば、夏に人気のアイスティー。原料はコーヒー豆の皮。皮と言っても豆を包んでいるコーヒーの実のことで、これを取り除いて豆だけを仕入れるのが一般的。だが、自家焙煎工房を持ち南アメリカの生産者から直輸入しているアロハではそれを丸ごと仕入れ、独特の酸味と甘みがある実の部分をアイスティーやカクテルの材料として活用している。
 一方、店で出るコーヒーのかすは、となりの「ロッテルスワム」でヒラタケの培養土として再利用している。そこで栽培されたヒラタケはこのレストランに戻り、ビターバレンという丸いコロッケの材料に。自家製のコーヒーマヨネーズを添えてサーブしている。このマヨネーズは、オープン当初に働いていたシェフとバリスタが、何日も顔をつきあわせて生み出したもの。ほんのりとした苦みと芳ばしいコクがあり、クリーミーなビターバレンの味を引き立てる。そして、このマヨネーズにミックスされているコーヒーもまた、エスプレッソマシーンでコーヒーを入れる際に流出する余剰分をキープした再利用だ。

オランダ:アロハ

[上] プールだった頃の面影が残る内観。写真左下に見える通路のような部分は流れるプールだった。[下] アロハは、自社の焙煎工房を持つ。手狭になったため場所を移したが、今でも一台の焙煎機が展示されている。

 「循環経済への関心は高まっています。この店でサーブするドリンクや料理が人気なのは、もちろんまず第一においしいから。けれども、その背景にこんなストーリーがあることを知ると、みんなとても喜んでくれます」と説明してくれるのは、アロハのマネージメントスタッフ、リナ・ムルダーさん。「コーヒーは、アロハの循環経済システムの中で大きな役割を果たしています」。

〈カフェ情報〉
アロハ ALOHA
www.alohabar.nl
Maasboulevard, 100 Rotterdam
TEL.+31-(0)10 210 8170
営業時間 12:00~(営業終了まで)
定休:なし

*1ユーロ=約128.3円(2018年6月現在)
写真・文=ユイ・キヨミ(アムステルダム市在住)
更新日:2018/7/1



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