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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
今月のドイツは、「共有スペースのカフェ」がテーマ。
ベルリンだけでなく、ここ数年で世界中のカフェ偏差値が格段にアップし、自宅でこだわりのコーヒーを飲む方も増えました。しかし、オフィスや学校では、まだまだというところが多いのではないでしょうか?
オフィスや社内に素敵なカフェがあるというメリットは、働く人のモチベーションを高めるだけではありません。社外の人とのミーティングも弾み、この場所を訪れてもらうきっかけにもなります。
美味しいコーヒーは人々を惹きつけるのです。
今回は、ここが?と驚く、大使館内のカフェをご紹介します。

オープンなお国柄をコーヒーでアピール!

Vol.61 ドイツ:オスロ・カフェバー・イム・フェレスフース(Oslo Kaffebar im Felleshus)
www.nordischebotschaften.org/kantine

オスロ・カフェバー・イム・フェレスフース

在独北欧大使館は、フィンランドとオーストリアの建築デュオ「ベルガー+パルキネン」が手がけた建築。1999年の完成時に、デンマーク女王マルグレーテ2世は「だれもが自分自身のために、でも一緒に」ある場所だと表現。このカフェもまさにその言葉どおりだ。

 めったなことがない限り行くこともなく、入館の審査も大変そう……。「大使館」が持つ堅苦しいイメージをいい意味で裏切ってくれるのが、在独北欧大使館内のカフェ「オスロ・カフェバー・イム・フェレスフース」だ。昨年10月、館内の改装とともにオープンしたこの店は、週に7日、朝から夕方まで、すべての人に門戸を開いている。
 白樺の並木の後ろに波打つように広がる、ミントグリーンの建物。なんのチェックもなしにドアが開き、コーヒーの香りに誘われるように階段を上ると、目の前に自然光が差し込む明るい空間が広がった。

オスロ・カフェバー・イム・フェレスフース

[上] カフェのドアを開くと遊具を並べた吹き抜けがあり、家族連れがコーヒータイムを楽しんでいる。[下左] カプチーノ、フラットホワイトは3,20ユーロ。[下右] フィルターコーヒーは2,60ユーロ。

「身分証明書もバッグの検査もなし。ここは本当に大使館の中?って、驚かれることが多いです」と、カフェのオーナー、スティーブ・モリスは笑う。
「しかし、それこそが北欧大使館の意図。オープンな北欧諸国の在り方をアピールするのが、このカフェなんです」。
 デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランドという北欧5カ国が、共通の建物に入っているという世界でも珍しい大使館(群)。「フェレスフース(デンマーク語で「共有の家」)」、という名前の建物の中にあるカフェには、大使館で働く人はもちろんのこと、世界中から訪れる観光客や近隣の住民、コーヒー好きのベルリンっ子が足繁く訪れる。昼時には長い行列ができるほどの人気だ。

オスロ・カフェバー・イム・フェレスフース

[上] スティーブ・モリス。ここから5kmほど離れた北駅のそばに2012年にオープンした人気のカフェ「オスロ・カフェバー」の共同オーナーでもある。「この店のコーヒーが飲みたいと、遠くから足を運んでくれるお客もいて嬉しいですね」。[下左] 店のオリジナルローストだけでなく北欧各地の焙煎所の豆も提供する。[下右] 大使館カフェの外観。ファサードの隙間から、明るい吹き抜けでコーヒーを楽しんでいる人たちの姿が見える。

 豆はベルリンと北欧各地の焙煎所から仕入れ、カップはコーヒーかすとリサイクルしたセルロースと木の繊維などを混ぜ合わせて、加熱・成形した「カフェフォーム」を使用。家具はベルリン在住のデンマーク人デザインが手がけた。同じフロアでは北欧出身のデザイナーやアーティストの企画展やコンサートといったイベントが定期開催されている。ここでコーヒーを飲んでいるだけで、北欧の文化や考え方がじんわりと伝わってくるよう。
 またここに来たい、北欧にもいつか行ってみたい——そんなふうに思わせる力を持つカフェなのだ。

〈カフェ情報〉
Oslo Kaffebar im Felleshus
www.nordischebotschaften.org/kantine
Nordische Botschaften / Felleshus
Rauchstrasse 1, 10787 Berlin
営業時間 8:30〜16:30(月〜金)11:00〜15:30(土・日)

*1ユーロ=約131円(2017年9月現在)
文=河内秀子 写真=Gianni Plescia (ベルリン市在住)
更新日:2017/10/1



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