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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
 今月のドイツは、「難民」がテーマです。ヨーロッパで最も多くの難民を受けいれているドイツ。しかしあまりの短期間に大勢がやってきたため、受け入れ態勢も完全には整っておらず混乱が続いています。百万人近い難民の保護ももちろん大変ですが、その全員に未来を与える——自活の道を見つける手助けをするのは、大仕事なのです。
今回は難民の人たちが手に職をつけるための一助となるカフェの活動をご紹介します。

難民からベルリンっ子へ——コーヒーで未来をつかむ。

Vol.48 ドイツ:レフギオ・カフェ(Refugio Café)
www.refugio.berlin

ドイツ:レフギオ・カフェ

毎週月曜日、17時から開催しているバリスタの無料講習会。誰でも参加できる。今回は近所に住む学生とシェアハウス内の難民が参加した。左はカフェ担当のアンディ・ロマイケさん。「美味しいコーヒーを淹れる技と知識があれば、世界中で仕事を見つけられると思う」。

 コーヒーを鍵に、自活の足がかりを作る場所、それがレフギオ・カフェだ。
 シェアハウス「レフギオ」の一階に、2016年9月にオープンした。「レフギオ」は、もともとホームレス救済団体が所有しているこの場所を、シェアハウスという形で、故郷を離れて暮らすことを余儀なくされた人たちが共同で暮らす場にしようと、2015年夏に始まったプロジェクトだ。
 このシェアハウスでは、シリア、アフガニスタン、パレスチナなどから来た難民とドイツや北欧出身の20〜30代の40人ほどが共同生活を営む。リーズナブルな家賃で人気があるが、何か人の役に立つ特技があることが入居の条件。それは料理でも家電の修理でも、何でもよい。

ドイツ:レフギオ・カフェ

[左] 講習会では豆や焙煎の仕方の違いなども比較。カフェでは近所の焙煎所「カフェ9」のものを使う。[中]難民が立ち上げたマテ飲料メーカー「ソリマテ」。このほかのソフトドリンクも市内近隣で作っているもの。[右]近所の人や観光客、レフギオのことを知っている人も知らない人も、客層は様々。

 「難民の一番の問題は、社会の中で自分の役割、居場所を見つけられないこと。だから、カフェでは毎週バリスタの無料講習会を行っています」と、カフェ担当のアンディ・ロマイケさんは言う。
「バリスタの腕があれば世界中どこでも働くことができるでしょ?」
 トルコ風のモカやアラブコーヒーを皆で試すこともある。
 カフェのスタッフとして働いているバシャーは、シリアからの難民だ。ここでバリスタの研修を受け、時々ちょっとした軽食を出していたところ評判を呼び、近々周辺のカフェへのケータリングを始めるという。「将来的には、これで独立したい」と意気込む。

ドイツ:レフギオ・カフェ

[左] このカフェで行われている難民サポート活動のチラシ。月に1回ダンスイベントも開催している。[中]家具などは全て寄付、大理石を使ったカウンターなども全てスタッフの手作り。[右] シェアハウスの主宰、スヴェン・ラーガーさん。有名な作家でもある。南アフリカに住んだ経験からシェアハウスカルチャーに親しんでいて、このアイデアを思いついたという。

 近所にある焙煎所から仕入れるこだわりのコーヒーの味はもちろん、いまベルリンで最も人気があるノイケルン地区の一角という立地も手伝って、老若男女入り交じり、いつも賑わっているこのカフェ。毎週水曜日に開催している難民との語学交流イベントには、毎回100〜200人が集まりコーヒーが飛ぶように売れる。
 「難民」からベルリンっ子に。この地にしっかりと足をつけ羽ばたいて行くきっかけが、ここから始まるのだ。

〈カフェ情報〉
レフギオ・カフェ(Refugio Cafeacute;)
Lenaustrasse 4, 12047 Berlin
www.refugio.berlin
営業時間 
10:00〜18:00 日月休

*1ユーロ=約122円(2016年12月現在)
文=河内秀子(ベルリン市在住)
写真=Gianni Plescia
更新日:2017/1/15



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