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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。SDGsをテーマとしたコーヒービジネスを追うシリーズ、今月はイタリアからエコロジカルなデザインをご紹介します。今回の「プーロ グースト」が取り組んでいるのは、循環経済のためのコーヒーかすを再利用するプロジェクトです。

コーヒーかすを活用した新素材で、シンプルに仕上げた内装が目を引く。

Vol.111 イタリア・ミラノから

 昨年末にリニューアルしたミラノのリナーテ国際空港。ショッピングゾーンの新店舗のなかでも特に目をひくのがカフェ「Puro Gusto(プーロ グースト)」だ。「純粋な味」という意味の名を持つこのカフェは、イタリア式コーヒーが伝統的なスタイルで楽しめる店としてミラノ市内のほか世界に広くチェーン展開している。この空港店でも他店舗同様、ナポリのコーヒーブランドKimboとコラボした豆を店内で焙煎、エスプレッソを始め20種以上のコーヒーを提供している。また、食とワインの雑誌やレストランガイド、ワインガイドを発行している出版社「ガンベロ・ロッソ」とコラボした特別メニューを展開、季節の新鮮な食材を使ったフードメニューや「ガンベロ・ロッソ」セレクトのワインも取り揃え、人気を博している。
 この空港店の最大の特徴は、モダンでシンプルな内装。すべてをエコデザインで作り上げたのは「プーロ グースト」の店舗としても初の試みだという。「プーロ グースト」の運営会社であるレストラングループ「Autogrill」が手掛ける「WASCOFFEE®」プロジェクトによるもので、コーヒーかすをリサイクルした新エコロジー素材「WASCOFFEE®」を活用してテーブル、カウンター、コーヒー豆のライフサイクルのイラストを表した壁のパネルなどを設えている。

 イタリアの高速道路や空港、駅などに多くの店舗を展開するレストラン「Autogrill」をメインブランドとして300以上のブランドを31カ国に渡って展開する一大外食企業であるAutogrillグループでは、環境への影響を最小限におさえ、再利用の文化を促進することを目的とした循環経済のためのプログラム「A-Future」に取り組んでいる。その一環として2017年にスタートしたのが「WASCOFFEE®」プロジェクトだ。グループ全体で、イタリア国内だけで1年あたり1億杯以上を提供するというコーヒーから出る大量のコーヒーかすをリサイクルし、100%自然でリサイクルや廃棄が容易なグリーン素材として再利用しようという取り組みで、エコロジカルでサスティナブルなプロダクト作りに特化するイタリア企業CMF GREENTECHとコラボして素材やデザインを制作している。「リサイクルエコノミー」というコンセプトをプロジェクトの柱にし、素材の特許も取得しているという。

 コーヒーかすを再利用して素材にし、店舗デザインへと活用していくことはコーヒーという素材に二度目の生命を吹き入れたことにもなる。イタリア人の食事には欠かせない象徴的な食材であるコーヒーの廃棄物をリサイクルして循環経済に取り組むことは、イタリアの外食企業にとっては大きな意味があるとしている。「WASCOFFEE®」素材は今後、トルコのサビハ・ギョクチェン国際空港、サンフランシスコのAutogrillグループ店舗でも活用される予定だ。



文=坂本きよえ ミラノ市在住
写真は上2点Puro Gustoとistock
更新日:2020/7/1



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