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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。SDGsをテーマとしたコーヒービジネスを追うシリーズ、今月はアメリカから植物性の食材で代用されたミルクをご紹介。今回の「トゥーロ・ハウス」が注目するのはナッツ・ミルクです。

ニューヨークで最初にオープンした、ナッツミルクにフォーカスしたカフェ。

Vol.109 アメリカ・ニューヨークから

 ニューヨークでは、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、3月からロックダウンを実行。テイクアウトのみで営業している一部のお店を除いて、レストランやカフェは一時的に休業している。新規感染者数は減少傾向にあり、アンドリュー・クオモ州知事は4月に経済再開に向けたプランを発表。レストランやカフェのオープンに関しては予断を許さない状況で、再開日はまだ未定だが、素敵なカフェが多く存在するのはニューヨークの魅力。一刻も早くパンデミックが収束し、お店がオープンすることを市民は願っている。
 さて、そんなニューヨークでは、サステイナビリティに対する認知の向上に伴い、ベジタリアンやビーガン、ゼロウェイスト(ゴミを排出しない)のレストランが増えている。また家畜業や酪農が環境に与える影響も懸念され、動物性の乳製品を使用せず、植物性の食材で代用されたミルクが注目を集めている。

 そもそもなぜ、家畜業や酪農は環境に悪いとされているのだろう。それは排出される温室効果ガスに関係している。気候変動の要因である温室効果ガスは、火力電力のほか畜産や酪農から排出されることも多く、また農地の開発のための森林伐採や家畜の飼料を作るための機械も温室効果ガスの排出に影響を及ぼす。
 そこで、牛乳にかわって登場したのが植物性の“ノンデイリーミルク”だ。今回はナッツを原料としたミルクに力を入れているカフェを紹介する。
 「トゥーロ・ハウス」は、2019年にオープンしたニューヨークで最初のフレッシュナッツを用いたカフェ。毎日新鮮な4種類のナッツミルクを独自にプレスして、製造する。メニューに並ぶのは、オーガニックのアーモンドとナツメヤシ、バニラビーンパウダー、シーソルト、水を配合した「バニラビーンアーモンドミルク」。またオーガニックのタイガーナッツ(カヤツリグサの根)とシーソルト、水を配合した「タイガーナッツミルク」も展開。タイガーナッツは栄養価の高いスーパーフードとして、近年は日本でも注目を集めている食品だ。オーガニックのカシューナッツとココナッツを用いた、「ココナッツカシューミルク」も揃う。

 コーヒーを飲む際は好みのミルクを選んで、ラテやカプチーノ、マキアートなどをオーダーすることができる。「バニラビーンアーモンドミルク」自体は若干クセがあるが、コーヒーに混ぜることでコーヒーの苦味を中和させ、ほんのりまろやかな風味になる。また「ココナッツカシューミルク」は、控え目で自然な甘さが口の中で漂うので、ブラックコーヒーに少し入れるのにぴったりだ。 
 オーナーはオーストラリア出身のローラ・ホプキンスさん。以前体調が悪くなった時に動物性の原料を使用せずに、植物由来の原料で作られた食生活に変更したところ、体の調子が改善したという。他にもヴィーガンやグルテンフリー、植物性の脂や脂肪を使ったパレオフードを用いたスナックも提供。
 様々な人種の人が生活するニューヨークは、体型や体質も様々。乳製品にアレルギーがある人も多く、好みも細分化しているため、それぞれの多様性に沿った食生活が送れるカフェの存在は嬉しい限りだ。 


*1ドル=約107円(2020年5月現在)
文=長谷川安曇 ニューヨーク市在住
写真はすべてistock
更新日:2020/6/1



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