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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。 SDGsをテーマとしたコーヒービジネスを追うシリーズ、今月はブラジルからコーヒーかすを使った商品。店舗休業を余儀なくされている都市部であっても、オンラインで販売できるメリットがあります。今回の「リコーヒー・デザイン」は、コーヒーかすから素敵なグッズをつくっています。

コーヒーかす“アップサイクル”でアクセサリーを。

Vol.107 ブラジル・サンパウロから
www.recoffeedesign.com.br

Photo by Guilherme Bordini
 
デザイナーのアナ・パウラ・ナカラートさん。2016年にFAAP大学プロダクトデザイン科を卒業、2017年にリコーヒー・デザインを設立。

 サンパウロ州内陸の主要都市リベイロン・プレットを拠点として営業する「リコーヒー・デザイン」は、抽出後のコーヒーかすを再利用してアップサイクルな商品制作を行っている。ネックレスやピアスなどの女性用アクセサリー、あるいは壁掛け時計やランプシェードなどのリリースとともに2017年に創業し、現在では、受注生産による床材を含む60種類以上の商品を制作・販売している。
 販売は主に自社のホームページで行っているほか、リベイロン・プレット、カンピーナス、リオデジャネイロ、サンパウロのセレクトショップに委託している。新型コロナウイルスが流行している昨今、それらの店舗は休業を余儀なくされているが、引き続きeコマースでこのエコフレンドリーな商品を求めることができる。

街のカフェから収集するコーヒーかすは、運送費以外ゼロコストで入手。FAAP大学のセラミックの工房で、担当教官の指導のもと、試作を繰り返した。

© Recoffee Design
[左]街のカフェから収集するコーヒーかすは、運送費以外ゼロコストで入手。[右]FAAP大学のセラミックの工房で、担当教官の指導のもと、試作を繰り返した。

 ブランドの設立は、デザイナーのアナ・パウラ・ナカラートさんの卒業制作に由来した。環境にやさしいものづくりを目指して、FAAP大学リベイロン・プレット校でプロダクトデザインを専攻していたナカラートさんは、飲んでは捨てられるばかりのコーヒーかすをものづくりの素材に活かせないかと思うに至った。
 ナカラートさんは、担当教授の指導の下、大学の陶器の工房でコーヒーかすを植物由来の天然樹脂で固める実験を重ねた。それを経て制作した壁掛け植木鉢兼ランプシェードは、早速、世界が注目するデザインイベントで披露されることに。美大生と産業の架け橋を担うロンドンのポータルサイト「アーツ・スレッド」が、「デザインジャンクション2017」における自社ブースでの展示作品を公募すると、それに応えたナカラートさんは、見事にその卒業制作の作品を発表する機会を得たのだった。
 そこでの出展がブラジル国内メディアでも取り上げられ、ナカラートさんの創作に賛同する出資者や協力者が現れたことによって、「リコーヒー・デザイン」は創立された。
 素材であるコーヒーかすは、リベイロン・プレット市内の6つのカフェから、商品需要に合わせて、週1、2度回収している。数々の商品は、乾燥させたカスから、電力を一切使わずに手作業でトウゴマ由来の樹脂と混ぜ合わせて生産されている。実際にアクセサリーのいくつかを手にしてみると細かい気泡が入っているために見た目よりは軽く、それでもしっかりと硬い仕上がりとなっている。コーヒーの匂いは全くせず、水に浸けても商品が破損することはないそうだ。
 将来の見通しを立てにくい最中であるが、「リコーヒー・デザイン」はいま、異なる形の植木鉢や食器類の開発に臨んでいる。これからも飲むばかりでないコーヒーの新しい楽しみ方を社会に提唱していきそうだ。

「コーヒーネックレス」「コーヒー豆ピアス(小)」

[左]「コーヒーネックレス」(145レアル)。ペンダントトップは、実際のコーヒー豆より一回り大きい。[右]「コーヒー豆ピアス(小)」(130レアル)。左右半円型の箇所は直径約2.3cm。


www.recoffeedesign.com.br
*1レアル=約19.7円(2020年4月現在)
文・写真(商品)=仁尾帯刀
サンパウロ市在住
更新日:2020/5/1



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