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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。 SDGsをテーマとしたコーヒービジネスを追うシリーズ、今月はオランダ・アムステルダムからトレーサビリティを大切に、美味しいコーヒーを作る経営者たちをご紹介します。今回は、生産者との関係を築いて希少価値の高い「レアコーヒー」を提供し、容器の再利用にも目を配るふたりです。

生産者とSNSで連絡を取り合って。

Vol.106 オランダ:フク(FUKU)・フライドハッツ(FRIEDHATS)
friedhats.com

オランダ:フク(FUKU)・フライドハッツ(FRIEDHATS)

オーナーのひとり、レックス・ウェネケルさんは、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップで準優勝を収めた経歴の持ち主だ。目の前にあるのは、ご自慢のコーヒー・グラインダー。元アップル社の開発者が設立した「リン・ウェーバー・ワークショップ」社製で、粉の粒がそろう挽きの精度にレックスさんも大満足だ。

 2018年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップで、準優勝を収めたレックス・ウェネケルさん。ビジネスパートナーとふたりで焙煎所「フライドハッツ」を営む傍ら、コーヒー通に人気のカフェ兼ショップ「フク」を経営している。店では12〜14種の豆をサーブしているが、そのうち3〜4種類は希少価値の高いレアコーヒーだ。エチオピアのイディド産の豆や、コロンビアのセロ・アズール農園のゲイシャ種など他の店では味わえないコーヒーは、一杯約6〜10ユーロと高価だが、噂を聞きつけてわざわざ飲みに来る人も多い。「売れる数が限られているため、豆の管理には気を遣っています。無駄をださずに十分なストックを持つため、一杯分の20gずつを真空パックで冷凍しています。ゆくゆくは、もっとレアコーヒーの品揃えを充実させたい」と夢を語る。

オランダ:フク(FUKU)・フライドハッツ(FRIEDHATS)

[上]「スーパー・スペシャル」として販売しているコーヒーのひとつ、エチオピアのイディド・ナチュラルは、300mlを小さなポットでサーブ。6ユーロ。[下左]レアコーヒーは、一杯分の20gずつ真空パックで冷凍保存。[下右]レックスさんらの焙煎所「フライドハッツ」のコーヒー豆は、サプリメントのようなボトルで販売。リフィルが簡単で、パッケージに使うゴミを削減するためだ。棚の上にはワールド・バリスタ・チャンピオンシップのトロフィーが。

 コーヒーの味は、チェリーの精製方法で大きく変わる。コーヒーチェリーの風味を残した、フルーティーな味わいがレックスさんの好みだ。生産者とSNSで密に連絡をとりながら、求める風味の実現のために試行錯誤していると言う。このようなチャレンジは、生産者がわかっているから可能なこと。非常に手間がかかるし難易度も高いが、その価値はあるとレックスさん。
 「うちで扱うコーヒーはトレーサビリティが完全で信頼できる輸入業者から仕入れるか、生産者から直接購入しています」と、納得のいくフレーバーの実現には、生産者との繋がりが重要であることを強調する。

オランダ:フク(FUKU)・フライドハッツ(FRIEDHATS)

[上左]「店名のFUKUは、日本語の福からとったもの」と説明してくれるのは、この店で働くヤスパーさん。レックスさん曰く、FUKUという響きの良さと、「福をもたらす」という意味合いが気に入って付けた店名だ。[右]遠慮なくくつろげる、気取りのない店内の雰囲気。[下]ラ・マルゾッコ社のエスプレッソマシーン「ミストラル」は、レックスさんの好みに合わせてカスタマイズされている特注品だ。

 普段からサスティナビリティは重視しているというレックスさんのカフェでは、ミルクは近所の農家からバケツで購入している。ゴミや無駄を減らすためだ。一杯分に必要な量を正確に測れる装置も導入した。豆の販売は、リフィルに便利なボトルを採用。ビタミン剤の容器のようなデザインがユニークだ。卸用は2kgのバケツで販売し、容器は再利用している。
 ミレニアル世代のコーヒーマニアにとって、サスティナビリティやトレーサビリティはもはやスタンダードになりつつある。なぜなら、それがコーヒーの味や風味にも、密接に関係しているからだ。

フク(FUKU)

TEL.+31−(0)6 5529 8976
所在地:Bos em Lommerweg 136, 1055 ED Amsterdam
営業時間
月〜木 8:00〜15:00
金 8:00〜18:00
土、日 9:00〜18:00
定休 なし
*1ユーロ=約119円(2020年2月現在)
文=ユイキヨミ
写真=ユイキヨミ
アムステルダム市在住
更新日:2020/3/15



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