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コーヒービジネス最前線

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 世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
 サンパウロではここ4、5年、コーヒー豆の質にこだわるカフェがそれまで以上のペースで増えています。中でも小規模なカフェの登場が際立っています。今年、2号店を開けて知名度上昇中の「クレメンテ・カフェ」を紹介します。

本格派カフェ未開のエリアで小さな店舗からチャレンジ

Vol.100 ブラジル: クレメンテ・カフェ(Clemente Café)
www.facebook.com/clementecafe.sp/

ブラジル:クレメンテ・カフェ

コンクリートむき出しの外装が印象的な店構え。入り口両脇の極小カウンターテーブルがチャーミングだ。キッチンはなく、ケーキやスナックなどの食べ物類は、地域の職人に外注している。日差しの強い日には、正面の大きな街路樹が木陰を落として涼しさを演出する。

 サンパウロが近代化する前ののどかな街並みの残るヴィラ・マリアーナ地区の一角に立つ「クレメンテ・カフェ」は、地域住民に親しまれて今年で創業3年を迎えた。敷地面積7㎡のコンパクトな店舗での営業は、オーナーの以前の事業での経験と国の経済状況を踏まえた選択だった。
 「カフェ開業以前には金融業界で働きながら、副業でeコマースの仕事をしていました。しかし、二足のわらじを履いての営業ではうまく行かず、改めて憧れだったコーヒーの仕事に転身したのです。ブラジルは未だ景気が復調しないので、小回りの効く小さな店舗からカフェ業界で再チャレンジしようと思ったのです」とオーナーのタチアナ・ロシャさんは打ち明けてくれた。

ブラジル:クレメンテ・カフェ

[左]バリスタ歴2年のアンジェラさん(左)とオーナーのタチアナさん。従業員は全5人。[中]チョコチップ入りバニラクッキー(6.50レアル)とエスプレッソ(35mlで5.00レアル)[右]店舗の敷地が狭くとも、人通りの少ない広い歩道でくつろいで飲食が楽しめる。

 ヴィラ・マリアーナに飲食店は幾多あるが、コーヒー豆にこだわるカフェは聞いたことがない。
 「街のグルメマップから外れているからこそ、この地区でチャレンジしたかったのです。また、以前このエリアに4年ほど住んでいた馴染みもありました。願っていた小スペースのこの物件が貸しに出ていたので、開業を決めました」とタチアナさん。
店内には二人がけのテーブルが一卓のみ。歩道の席も少なく、7、8人の来客があれば満員御礼だ。スタッフは常時一人、または二人で、ドリンクを運ぶウェイター・ウェイトレスはいない。開店当初からテイクアウト客の多いことを見込んでの店舗規模と接客体制なのだそうだ。

ブラジル:クレメンテ・カフェ

[左]1号店は、基本的にバリスタ独りがやりくり。集客の多い土日には2人体制で望む。[右]以前はガラス販売店だったという店舗を、コンパクトなカフェに大改装。

 コーヒードリンクは、冷たいものも含めて全16種。定番のエスプレッソだけでなく、エアロプレスとドリップも用意している。コーヒー豆は、ミナス・ジェライス、バイア、エスピリトサントとブラジルの異なる州の名産地のものを扱い、販売もしている。
 創業より丸3年を経た今年6月には、2号店を街一番の目抜き通りであるパウリスタ大通りから2ブロックにオープンした。こちらもまた約9㎡と小規模店舗だが、客層は住宅街の只中にある1号店とは異なり昼食後に訪れるビジネスマンが多いのだそうだ。
「2号店を開けてまだ日は浅いのですが、客層や混み合う時間帯が随分と異なります。カフェとしての統一感をどのように出していくか、いまが考え時なんです」とタチアナさん。ますますグルメなカフェが増えるヴィラ・マリアーナにあって、街角の小さなカフェ「クレメンテ・カフェ」というブランドを確立することが大切だと考えているようだ。

〈カフェ情報〉
クレメンテ・カフェ(Clemente Café)
Rua Coronel Lisboa 659, Vila Mariana, São Paulo
TEL: なし
営業時間 月~金8:00~18:00、土日10:00~18:00 定休なし、祝日の営業は不定
www.facebook.com/clementecafe.sp/

*1レアル=約26円(2019年10月現在)
写真・文=仁尾帯刀(サンパウロ市在住)
更新日:2019/11/15



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