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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
Vol.1&vol.2 では、イギリス・ロンドンの公共スペースカフェで頭角を現した【ベヌーゴ】【ペイトン&バーン】2社をご紹介します。ともに家族経営で細やかな心配りを大切にしながら、支店を増やしてきました。

イギリスの美術館カフェのレベルを一挙に押し上げた立役者。

Vol.1 イギリス:ベヌーゴ(Benugo)
www.benugo.com

ベヌーゴ

ビクトリア&アルバート博物館と深い関わりがあるイギリス人アーティスト、ウイリアム・モリスが150年前にデザインしたカフェ兼ダイニングルーム。金曜の夜はコースディナーも提供。18ポンド〜

 イギリスの外食産業で、過去5年で大きく飛躍したことがある。それは、美術館や博物館などの公共スペースにおける“お食事処”のクオリティである。

 イギリスでは公立美術館と博物館は入館無料で、国民の文化レベルを上げることに貢献している。ところが、公共の器のなかでの飲食レベルは、残念ながら低いことで悪名高かった。そこに目をつけたのが「ベヌーゴ」だ。

 社名「ベヌーゴ」とは、16年前に小さなサンドイッチ屋を始めたウォーナー家のベンとヒューゴ兄弟の名前を合わせた造語。クオリティを守りながら支店を増やすと同時に、7年前に公共スペースでのカフェ進出に踏み切った。その第一弾が、このビクトリア&アルバート博物館内のカフェなのだ。

(左)1852年に産業博物館として開館。工芸、家具、衣装など450万点もの収集品を誇る (右)博物館の廊下もうまくカフェ空間に転用した。作品を飾り、アート鑑賞が身近にできる環境をカフェのなかにも設置し、客から高い評価を受けている。大きな窓から射し込む光も気持ちいい



朝一番の打ち合わせをするルパートさん(左)とアシスタントのミレーナさん



 カフェマネジャーのルパートさんは、「無料入館の博物館を訪れる老若男女を満足させる内容でありつつ、クオリティを落とさないことが一番重要」と力説する。一例とし、社内でのバリスタ訓練から始まり、自ら原産国に足を運びコーヒー豆の仕入れ先を選択すること、紅茶にはティーバックではなく茶葉を使用するなど、目に見えないところにも気を配る。いまイギリスで人気のラテやフラットホワイトなどもメニューに載るようになった。

(左)フラットホワイト、2.90ポンド。マグカップでの注文もでき、価格は同じ (右)サンドイッチはサラダ付きで7.25ポンド前後。毎朝、館内で作るため新鮮

 

 いまや13カ所の公共スペースでカフェを経営するまでになった「ベヌーゴ」。イギリスの公共スペースの飲食レベルを一挙に押し上げた立役者とし、外食産業のなかでも一目置かれる存在にまでなった。次なる戦略は、“企業カフェ”だ。ロンドンにあるファイザー、ドイツ銀行、野村証券など大手企業の社内食堂経営を引き受け、ここでもレベルアップに成功している。サンドイッチ屋から始まったビジネス展開の秘密は、高品質にこだわること。基本中の基本を教えられた気がする。

〈カフェ情報〉

ビクトリア&アルバート博物館カフェ(Victoria & Albert Museum Café)

www.vam.ac.uk

Cromwell Road, London, SW7

Tel.020・7581・2159

10:00〜17:15(金曜は10:00〜21:30) 無休

*1ポンド約172円(2014年4月現在)

写真・文=かがわみちこ

ロンドン市在住

更新日:2014/5/1



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