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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
スイスは世界屈指の演劇国として知られています。観客動員数も年間500万人近くという統計も。その劇場内につくられたカフェも演劇と共に育まれてきました。1915年に設立された文化施設「カウフロイテン」には2つの老舗劇場をはじめ、ラウンジやカフェなどが揃っています。老舗カフェのオーナーは、オリジナルのコーヒー・カクテルを作りながら、個性的なお客さんに対応しています。

新しい文化には、新しいコーヒー・カクテルを。

Vol.44 スイス:ペリカン・バー(PELIKAN BAR)
www.kaufleuten.ch/pelikanbar

ペリカン・バー

19世紀初期の建造物で外観は古く歴史を感じさせる、15のレストランやカフェが建物を囲う様に並び、レストランやカフェを目的に訪れる人も多い。

 カウフロイテンが設立されたのは1915 年。翌16年にはここでレーニンの有名な演説が行われ、18年には「ダダ」主義者たちが最後の公式イベントを開催。同年、オスカー・ワイルドの作品がジェイムス・ジョイスによって上演されている。…などなど、20世紀幕開けのヨーロッパを象徴する場所だったようだ。
 現在、この文化施設には2つの劇場を含めた15のコンテンツのレストランやカフェ、クラブなどが揃う。
 そのひとつ、ペリカン・バーのオーナーであるグリエルモ・セルジョ・ブレンテルさんによると、
「カウフロイテンは文化のるつぼだよ。コンサートひとつとっても、カントリーからヒップホップ、ラテンと幅が広いんだ。チューリッヒでもユニークで有名な場所だね。僕のペリカン・バーにも朝食を目当てにくる観光客から深夜に演劇論をかわす常連客まで、いろんな人がやってくるよ」

ペリカン・バー

[左] オーナーのグリエルモさん。自身もコーヒー好きでコーヒー・カクテル作りにパッションを持つ。[右] ホールを挟み左隣にあるレストラン。気持ちのよい空間で週末は家族連れが多い。

 スイスには古くからコーヒー文化が根付いていて、今でも大小の焙煎会社がたくさん操業している。扱うコーヒー豆の種類も豊富だ。グリエルモさん自身もコーヒー好きで、1日7〜8杯のコーヒーを飲む。フレッシュなコーヒーの味をキープする為に、自分なりの基本ルールがあるという。コーヒーのオーダーが入ってから豆を挽き、カプチーノは毎回フレッシュなミルクを温める。コーヒーの温度には細心の注意を払う。
「ペリカン・バーは36年間、ここで愛されてきた。当然のことを絶対に守りつつも、新しい時代にも対応していかないとね」とグリエルモさん。

ペリカン・バー

[左] グリエルモさんオリジナルのコーヒー・カクテル。ラム、カルーア、クリーム、シェイクしたエスプレッソにチョコレートパウダー。16.59CHF。エスプレッソは5CHF、カプチーノ6CHF。[中] サラダやサンドウィッチなど人気。17CHF〜。コーヒーに合うメニューが主流。[右] 35年の歴史を感じる店内。いつも常連客が窓の片隅で新聞を読み、コーヒーを楽しんでいる。

 とくに工夫しているのが、コーヒー・カクテル。ベースにパンチのあるコーヒーを使い、装飾を施すように個性的なリキュールなどを加えていく。フレッシュで切れ味のあるカクテルを作るのが得意だ。
「でも大切なのは、自分がどんなコーヒーを求めているか、お客さんに何を提供したいかを知っておくこと。この施設はユニークな場所だから、来る人もユニークな人が多いんだ。土日のコンサートの後は、この店にきて皆踊りだしたりするんだよ。どんなお客さんにも喜んでもらえるよう、新たなコーヒー・カクテルを毎日試行錯誤しているよ」。

〈カフェ情報〉
ペリカン・バー(PELIKAN BAR)
Pelikanplatz 8001 Zürich
TEL: 41-442-253-340
www.kaufleuten.ch/pelikanbar
営業時間 
8:30〜24:00(月〜木)
8:30〜26:00(金) 
10:00〜26:00(土)
休 日

*1CHF(スイスフラン)=約105円(2016年9月現在)
文=坂本きよえ(ミラノ市在住)
写真=フランキー・ヴォーン
更新日:2016/10/15



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