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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
紅茶の国イギリスですが、ロンドンっ子たちの間では、コーヒーの消費量がぐんぐんと伸びています。それと同時にラテやフラットホワイトに使うミルクにも注目が集まるようになってきました。
Vol.41では、コーヒーと相性のいい新しいミルクをとことん追求する、コーヒー屋台を紹介します。

コーヒーとのベストな相性を求めて、酪農家に特注した理想のミルク。

Vol.41 イギリス:ノーブル・エスプレッソ(Noble Espresso)
nobleespresso.com

イギリス:ノーブル・エスプレッソ

[左] 「エステート・デイリー」ミルク。左はジャージー種とホルスタイン種牛乳のブレンド、脂肪分3.8%。右は、脂肪分1%のスキニーラテ用。[右] 乳脂肪とたんぱく質の含有量が高いジャージー牛。農場で放牧されているハッピーな牛だ。特注ミルクの問い合わせは、https://theestatedairy.com Photo: Courtesy of Noble Espresso

 シングルエステート、無農薬栽培、手摘み収穫などコーヒー豆のクオリティーにこだわるカフェは、ここロンドンでも多数ある。だが、ミルクとなると脇役として扱われる立場でしかない。そこに目をつけ、ラテやフラットホワイトに合うミルクを開発したのが、ショーン・ヤング。ロンドンのキングス・クロス駅前で、屋台式カフェ「ノーブル・エスプレッソ」を経営する元バリスタだ。「バリスタ時代には、ミルクの泡立ちに苦労したんだ。だから、柔らかい泡立ちが保証される新しいミルクの開発に挑戦したかった」。

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[左] 脂肪分3.8%のミルクを使用したラテ、2.60ポンド。きめ細かな泡立ちのため、喉ごしがいい。[右] キングス・クロス駅は、地下鉄、国鉄、欧州大陸行きユーロスターが集まる主要駅。ノーブル・エスプレッソは、駅前に朝7時から屋台を出す。

 ショーンは、コペンハーゲン大学・食品科学科で教鞭をとるモルテン・ミュンショウから、シルキーな舌触りを生み出すミルクの理想的な脂肪分は、100mlに対し3.8〜4%との指導を受けた。また、細かな泡立ちには、4%のタンパク質含有量も必要だと教わった。この数値をもとに、イギリス北部ランカシャーにある酪農家に声をかけた。酪農家はそのチャレンジに応え、濃厚なミルクで知られるジャージー牛を輸入し、理想の数値に応えられる「エステート・デイリー」ミルクを今年から製造開始している。

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[左] 常連客は毎朝コップで立ち飲みしつつバリスタとの会話を楽しんでから勤務先に向かう。コップがばらばらなのも屋台ならでは。
[右] キングス・クロス界隈は、再開発地区として知られる。セント・マーティンズ美術大学やグーグル英国本社もここに移り、若者が集まる賑やかな街となっている。

バリスタをはじめ、ラテファンから絶賛されるほどのきめ細かな泡立ちを見せてくれるこの新しいミルク。ウワサを聞きつけた他のカフェからショーンへ問い合わせが殺到し、いまではロンドン市内と郊外の107店舗ものカフェにミルクを卸すビジネスにも発展している。泡立ちの苦労がきっかけで、理想のミルクを求めるにいたったショーンは、これからもカフェでのミルクの地位向上に努めると力強く語ってくれた。

〈カフェ情報〉
Noble Espresso
Battle Bridge Place, London N1
TEL: なし
nobleespresso.com
営業時間 
7:00〜16:00(月〜金)
休日
土、日、祝

*1ポンド=約132円(2016年8月現在)
文・写真=かがわみちこ(ロンドン市在住)
更新日:2016/9/1



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