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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
ベルリンではいま「コーヒーと環境」に取り組むカフェオーナーたちが増えてきています。まずはテイクアウト用のカップごみを減らすためにできることからスタートした、「カフェ・ノイン」の取り組みからどうぞ。

「店で飲みますか?」笑顔での一言が、ゴミを減らす!

Vol.31 ドイツ:カフェ・ノイン(Café 9)
www.facebook.com/cafe9berlin

ドイツ:カフェ・ノイン

「カフェ・ノイン」は、創業1891年の屋内市場「マルクトハレ・ノイン」の一角に2013年8月にオープンした。市場には、ベルリン近郊の小規模の生産者が主に出店しており、地産地消を推奨している。カフェオーナーのライヒェルさんは2012年からこの市場で働き始めた。

 28億個。この数は、ドイツで1年間に廃棄されたテイクアウト・コーヒー用の紙コップの数だ。“紙”コップといっても断熱効果を持たせるためにポリエチレンで表面加工してあることも多くリサイクルは難しい。環境大国として知られるドイツだがこの問題は大きくなるばかり。ドイツ環境支援協会の調べによれば、ドイツのコーヒー消費の約15%がテイクアウトだそうで、多くのカフェにとってはメインビジネスでもあるからだ。

ドイツ:カフェ・ノイン店内

[左]オーナーのライヒェルさん。自宅でもコーヒーかすで入浴剤を作ったりしているそう。将来的には環境保護的な観点から生豆の輸入を見直したいとか。[中央]レジ横にはリユースカップを並べて。[右]カプチーノ2.40ユーロ。コーヒーはハウスブレンドと、その時々で変わる他焙煎所ゲストブレンドが選べる。パンは併設の市場のパン屋から購入。

「コーヒーのテイクアウトを否定する気はないですが、不要なゴミを出すのは納得がいかない」と言うのは「カフェ・ノイン」のオーナー、フィリップ・ライヒェルさん。人気の屋内市場「マルクトハレ・ノイン」の一角にある立ち飲みメインの小さな店は、朝8時のオープンと同時にいっぱいになり11時まで全くお客が切れることがない。大抵の人は店内で飲んでいる。市場の中で働く人たちは陶製のカップでテイクアウトし、仕事帰りに戻しに来る。客の回転は良いにもかかわらず、取材中、3時間ほどで使われた紙コップは10個に満たなかった。
「注文の際に『ここで飲みますか?』と笑顔で尋ねるんです。そうすると大抵の人がじゃここで、って言いますよ」。たったそれだけのことで?と思うが、1年で15〜25%テイクアウトが減ったそうだ。前述のドイツ環境支援団体の調査によれば、テイクアウトしたコーヒーの3分の2が店先で飲まれているというから、問いかけがあればその習慣は変えられるということなのだろう。

ドイツ:カフェ・ノイン

コーヒーの精選過程で廃棄される「果肉」の部分を乾燥して使用する目的で丁寧に処理した「コーヒーチェリーティー」も提供。エルサルバドルの小規模農家が栽培するブルボン種のもの。ローズヒップのような酸味のある味だ。3ユーロ。

 カフェ・ノインではテイクアウト用コップと蓋、どちらも完全生分解が可能なものを使っている。「ジャガイモの澱粉で表面加工してあるんですが、一般的な紙コップよりかなり高価なのであまり使いたくないんですよ」と笑うライヒェルさん。ミルクは味もさることながら、ベルリン郊外のオーガニック&パッケージが完全生分解可能なものを選び、ゴミを60%カット。コーヒーをいれた後の「かす」は専用コンポスターに入れて市場に出店している農家に提供するなど徹底的だ。「使えるものはとことん使わなきゃ。コーヒーかすだって栄養たっぷりなんだからね!」

〈取扱店情報〉
カフェ・ノイン(Café 9)
www.facebook.com/cafe9berlin
Eisenbahnstrasse 42/43, 10997 Berlin
Tel.なし
営業時間 8:00〜18:00(月〜水、金・土)、8:00〜20:00(木)

*1ユーロ=約128円(2016年1月現在)
写真=Gianni Plescia
文=河内秀子
ベルリン市在住

更新日:2016/2/1



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