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コーヒービジネス最前線

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世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
長年「コーヒーは目覚めの気付薬」と考えられてきたフランスではここ数年、コーヒーをワインのように、じっくり味わって楽しむ意識が高まっています。産地ごとの特徴を打ち出して豆をセレクト・焙煎するロースターやカフェが数を増やし、メディアや流行物好きがこぞって注目。コンテンポラリーな感性で販売される上質のコーヒーは、「人を集めるトレンド商材」となっているのです。Vol.13では、パリの食のトレンドセッター的存在であるデパート「ラ・グランド・エピスリー・ド・パリ」を訪問。リニューアルされたコーヒーコーナーを紹介します。

食品館に漂うコーヒーの香りに、引き寄せられるグルメたち。

Vol.13 フランス:ラ・グランド・エピスリー・ド・パリ(La Grande Epicerie de Paris)
www.lagrandeepicerie.com

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コーヒー・紅茶コーナーの一角。木製の棚を円形に配置し、図書館のような密やかな雰囲気を演出。奥に見える焙煎機からコーヒーの香りが立ち上がると、通路から覗き込むようにお客さんが引き寄せられてくる。

 パリ7区の高級住宅街に位置する「ラ・グランド・エピスリー・ド・パリ」は、フランス最古の高級デパート「ル・ボン・マルシェ」の食品館。本館の創業は1852年、その後1923年に食品コーナーが開設され、1978年には食品館として独立と、長い歴史を誇る。品揃えのモットーは高品質と、トレンドへの感度の高さ。シックな富裕層をメインターゲットとし、世界中を旅して最高の食材に触れている彼らを満足させるラインナップは、美食の都パリでも格別の信頼を得ているものだ。
 その食品館が2013年末、18カ月間の大改装を経て再オープン。コーヒー・紅茶コーナーは、メインエントランスにほど近い地上階の中央でリニューアルされた。客から見える場所に焙煎機を備え、16種類のコーヒー豆(うちブレンドは2種)を自家焙煎して販売している。ここ数年のコーヒー人気で、豆の生産地や焙煎にスポットが当たっているトレンドを反映し、鳴り物入りで設置された一角だ。コーヒー・紅茶コーナーのチーフで、焙煎担当者でもあるクリステル・ヴァンダエルさんは言う。
 「自家焙煎豆の量り売りは25年ほど前から行っていましたが、取扱量は年々伸びています。1990年は年間1トンほどでしたが、2014年は5.2トンに。2015年の仕入れ計画ではさらに増加して、6トンを予定しています。焙煎したての新鮮な豆が欲しい、というお客さんは、着実に増えていますね」

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(左)催事ごとに装いを変える「ラ・グランド・エピスリー・ド・パリ」正面入り口。 (中)2012年プレオープンの際に新調した焙煎マシン。ポルトガル製の最高級品だ。 (右)自慢の「ジャマイカ・ブルーマウンテン」を量り売りするヴァンダエルさん。

 焙煎は週に3〜4回。改装時に導入した最高級の焙煎機で、1回に6〜8キロずつローストする。「少量ずつ焙煎して、店内にコーヒーの香りが漂う機会をできるだけ多くしています。百貨店では、焙煎の香りもアトラクションのひとつなんです」。実際、焙煎が始まると、コーヒーを買う予定ではなかったお客さんも、ふらりとコーナーに足を運んでくる。そこで積極的に会話を交わし、コーヒーに親しみの薄い人にも興味を持ってもらえるよう意識しているそうだ。客が皆、コーヒー目当てで足を運んでいるわけではない、総合百貨店ならではの取り組みと言えよう。
 扱う豆は90%以上がアラビカの単一種で、カネフォラ種は唯一「イタリアンブレンド」に20%用いられているのみ。歴史的に安価なカネフォラ種を飲んできたフランスでは、このラインナップが高品質の証明のひとつになっているそうだ。
 「高品質のアピールの一つとして、ブルーマウンテンなどの希少種も扱っています。イタリアンローストやモカ、コロンビアといった人気の定番と並べて、ワンランク上のコーヒーとしてお勧めしていますね。通常量り売りは250gからですが、希少種は100gから販売し、お求めやすくしています」

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(左)自家焙煎豆をエスプレッソ・マシン用カプセルに詰めるのは、人気のサービス。 (右)オリジナルの化粧箱を用意し、マシン用カプセルも贈答品仕様にアレンジ。

 豆は8種類のグラインドを提案し、エスプレッソマシン用のカプセル詰めも行っている。マシン用のカプセルでも焙きたて・挽きたてのコーヒーが飲めると、人気のサービスだ。
 総合百貨店ならではのお楽しみが、もう一つ。選んだコーヒーに合うお菓子やチョコレートが、同じ階で売られていることだ。「プレゼント用にお菓子をつけるなら、何が良い?と相談を受けるんです。私のおすすめは、お向かいのパティスリーコーナーのマカロン!」かぐわしいコーヒーの香りに誘われて、おいしいお菓子もゲットできる。自家焙煎コーナーがあるから演出できる、ショッピングのお楽しみである。

〈カフェ情報〉

ラ・グランド・エピスリー・ド・パリ(La Grande Epicerie de Paris)
38, rue de Sèvres 75007 Paris
Tel.+33(0)1 44 39 81 00

営業時間=8時30分〜21時 日曜定休

*1ユーロ=約134円(2015年2月現在)

文・写真/高崎順子

パリ市近郊在住

更新日:2015/2/1



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