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コーヒー海外事情

コーヒー消費急増中のドバイ、貿易のハブとしても整う。

DMCCコモディティ部門専務取締役 サンジーヴ・ドゥッタ氏

 全人口の92%が外国人という国際的な都市国家ドバイ。その人口は、過去10年間で1.8倍増加した(2018年、約319万人)。都市別年間訪問者数も1,592万人(2018年)と世界第4位の人気だ。

 外国人の流入によって外食産業と食文化が多様化するなか、コーヒーの消費も急増している。UAEとしてのコーヒー輸入量は2018年までの過去10年で3.24倍に増加。ドバイにおける年間新設カフェ軒数は、2017年に410軒、2018年に468軒、そして2019年には1~4月のみで169軒と年々増加しており、昨今、飲食業は成長の最も著しい産業の一つに挙げられている。

 また、本稿で紹介したロウ・コーヒー・カンパニーの経営者マット・トゥーグッド氏によると、ドバイにおける焙煎業者も、直近3年間で13社から54社に増えたのだそうだ。

諸刃の剣となりそうな、外国人労働者への依存。

 あいにく、この右肩上がりの状況を一変しかねないのが、昨今のパンデミックだ。オックスフォード・エコノミクスは、新型コロナウイルスの影響で、UAEから90万の雇用が失われ、外国人の大量流出が起こることで、人口が10%減少する可能性を示唆している。

 市民権が与えられない外国人労働者への過度な依存は、この際に諸刃の剣と化しそうだ。

 カフェ業界もまた、経営者、マネージャーから従業員までの大半を外国人が占めているため、多くの店が、この影響を被りそうだ。

取引の掌握を狙う、コーヒーセンターの設立。

2020年2月に、DMCCコーヒーセンターで行われた、ACE(優良コーヒー同盟)による味覚教育トレーニングの様子。©DMCC

 アジア、アフリカ、ヨーロッパの中心に位置し、世界最大の人工港ジェベル・アリ港を有するドバイは、湾岸諸国の貿易の玄関であるのみならず、国際貿易の重要な拠点の一つでもある。

 ダイヤモンドから香辛料、農産品までを取り扱い、世界最良のフリーゾーンと評価の高いドバイ・マルチ・コモディティ・センター(DMCC)は、ドバイを世界のコーヒー・サプライチェーンの中枢とするべく、2019年2月にDMCCコーヒーセンターを開設した。

「DMCCは、2005年にティーセンターを開設し、現在、ドバイは世界で再輸出される紅茶の60%を担っています。この成功をもとに新たにコーヒー専門の貿易拠点であるコーヒーセンターを開設しました」とDMCCコモディティ部門専務取締役のサンジーヴ・ドゥッタ氏が語ってくれた。

 敷地面積7,500㎡のコーヒーセンターには、生豆を適温保存できる巨大な貯蔵庫の他、レンタルオフィスやバリスタ講習用の教室、カッピングルームなどを備えている。

「世界の輸入業者、焙煎業者、生産者が取引を行うための貸事務所やイベントスペースを用意しています。ドバイを世界のコーヒービジネスの中心に置くことが私たちの狙いです」とドゥッタ氏。

 パンデミックによる貿易への影響は免れないが、近年のアジアでのコーヒー消費の急増と、エチオピアを始めとしたアフリカ諸国でのコーヒーの生産量と品質の向上を踏まえれば、ドバイはコーヒー貿易のハブとして、その将来が約束されていそうだ。

United Arab Emirates
アラブ首長国連邦

主要情報
■ 面積:約83,600平方キロメートル
■ 人口:約963万人(2018年:世銀)
■ 首都:アブダビ ※外務省HPより(2020年9月現在)

取材・文・写真 仁尾帯刀
更新日:2020/12/28



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