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コーヒー海外事情

マドラスコーヒーに欠かせないチコリについて。

「ラトナ・カフェ」アシスタント・マネージャー ジョゼフ・アントニー氏

 南インド、タミル・ナードゥ州の州都チェンナイは、人口が850万人を超えるインド第4の都市。旧名の「マドラス」はイギリス東インド会社がこの地をヴィジャヤナガル王国から取得し、1639年にセントジョージ要塞を建設した際に付けられたものだ。自動車製造やIT産業、金融などで栄え、米経済誌「フォーブス」によって「世界で最も急成長している都市TOP10」にも選ばれている。また、米誌「ナショナル・ジオグラフィック」が世界一の美食都市に選んだこともある。コーヒーがこの国に入ってきたのは17世紀のこと(ちなみに紅茶の生産が行われるようになったのは19世紀後半)。

本来、マドラスコーヒーは、屋台や食堂で飲むべきもの。

 今回、巻頭特集ではカフェにおけるコーヒーカルチャーの様子をご紹介したが、チェンナイの伝統的なコーヒーの在り処は、屋台や食堂である。市内中心部トリプルケーン地区にあるサーンバール(豆と野菜のスパイス煮込み)の名店「ラトナ・カフェ」はコーヒーが美味しいことでも知られている。アシスタント・マネージャーのジョゼフ・アントニー氏に話を聞いた。

1日に5回、コーヒーだけを、飲みに通う常連客もいる。

「当店は1948年創業ですが、当時は一般市民がコーヒーを飲むことのできる貴重な場所でした」
 店ではマドラスコーヒーが「コーヒー/ミルク」の名でメニューに載せられている。1杯30ルピー(約46円)。店の入り口にキャッシャーと向かい合う形でコーヒー・コーナーがあり、担当のサティエーンドラ氏が注文に応じて一杯ずついれる。作り置きのコーヒーに砂糖を加え、専用の柄杓でミルクを高い位置から注いで泡立てる。
「コーヒーだけを飲みに1日5回も通ってくる人もいますよ」
 噂をすれば、常連客のアディムーランさんが入ってきた。店の人は注文を聞くことなく、コーヒーを差し出す。

「当店ではコーヒー豆にチコリを5%ブレンドしたものを使っています。他店ではもっと入れているようですが」
 チコリ(根の部分を使う)をコーヒーに混ぜるのは、古くからヨーロッパで行われてきたこと。そもそもは、煎って抽出するとコーヒーに似た風味が出るチコリを、貴重なコーヒー豆に添加することで増量剤としたのだが、その独特の風味に慣れた人が、コーヒー豆だけのものとは別の飲み物として親しみ、受け継いできたという経緯がある。この飲み方がインドへ渡ったのはイギリスかオランダ経由であることはほぼ間違いない。チコリには消化促進などの健康効果があり、それがアーユルヴェーダの考えとマッチして普及したという見方もある。ミルクや砂糖を入れて飲むスタイルにチコリの持つパンチの効いた風味がよく合うのだと、アントニー氏は説明する。

「当店3代目のロケッシュ・グプタは、さらにコーヒー販売に力を入れるつもりでいます。近い将来、当店オリジナルのコーヒー豆を販売することになると思います」

左から:「1日5回」のアディムーランさんは元理科教師。/昼食どきで混み合う「ラトナ・カフェ」の店内。/人気のコーヒー。右手前の泡のないものは常連客の求めに応じて作ったもの。

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インド

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■ 面積:約328万7,469平方キロメートル
■ 人口:約12億1,057万人
■ 首都:ニューデリー ※外務省HPより(2019年6月現在)

文・写真 浮田泰幸/コーディネート 吉井朱美
更新日:2019/08/30



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