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浜尾朱美のコーヒーヘルシーガイダンス

軽く見られがちな糖尿病、実は恐い病気です 糖尿病予防には肥満防止と運動、そしてコーヒー

糖尿病は発症当初自覚症状がないため、軽く考えがちな病気だが、実際は様々な合併症を引き起こす、恐ろしい病気だ。そんな糖尿病の予防に、コーヒー飲用が有効に働く可能性があるという報告があった。研究者は九州大学大学院医学研究院の古野純典教授。浜尾朱美さんが先生の研究室を訪ね、お話を伺った。

糖尿病の基礎知識

浜尾 私の友人にも最近糖尿病と診断された人がいて、いろいろ話を聞いたのですが、わからないことがたくさんありました。それでまず先生に、糖尿病に関する基礎知識を、簡単にご説明いただきたいのですが。
古野 糖尿病は血糖値が高くなる病気です。大別すると膵臓のインスリンを作る細胞がウィルスなどで破壊され、インスリンが出なくなるのが1型糖尿病。これは子供に多いんです。それから運動不足や肥満といった生活習慣の乱れから発症するのが2型糖尿病です。日本人の場合はほとんどが、2型糖尿病です。
浜尾 糖尿病は日本人に多い病気なのですか。
古野 日本人だけに多いわけではなく、今世界中で患者さんが増えている病気です。ですから世界の研究機関が注目しているわけです。ただアメリカ人は太らないと糖尿病になりにくいのですが、日本人は太らなくても糖尿病になるといった、特徴の違いはあるんです。
浜尾 私たちは、糖尿病の恐さをあまり理解していないと思うのですが。
古野 発症当初は自覚が無いので、糖尿病を簡単に見る人が多いのは確かです。しかし、放っておくと神経障害や網膜症、腎障害などの合併症が心配されますし、さらに重症になると、腎臓透析を受けることになったり、失明の危険さえ出てきます。このように糖尿病は、生きながら苦しむことになる病気だから恐いのです。

糖尿病とコーヒー

浜尾 そんな恐ろしい糖尿病の原因と予防法を教えていただけますか。
古野 原因のほとんどは過食と運動不足です。ですから肥満防止と適度な運動こそが2型糖尿病予防の重要な要因と言えます。また最近、コーヒー飲用が2型糖尿病に予防的であるという研究が進んでいます。
浜尾 どのような研究から、コーヒーと糖尿病の関係がわかってきたのですか。
古野 2002年のオランダのコホート(追跡調査)研究ではじめて報告され、その後スウェーデン、フィンランド、米国などのコホート研究でも、コーヒーが2型糖尿病に予防的であることが示されました。
浜尾 先生は自衛隊員の方々の追跡調査を実施されたと伺っていますが、その結果はどうだったのですか。
古野 1986年から退職前自衛官の検診データを解析してきました。その結果コーヒーを日常的によく飲む人ほど、糖尿病やその一歩手前の境界型になる危険度が10~40%低くなることがわかりました。
浜尾 コーヒーの違いで予防効果に差はあるんでしょうか。
古野 研究調査の結果では、レギュラーコーヒーでも、インスタントコーヒーでも差はありませんでした。
浜尾 なぜ自衛官の方を研究対象にされたのですか。
古野 私は「国防とは国民の健康を守ること」だと思っているんです。ですから、そういう観点で自衛官の調査研究をしてきたわけです。

コーヒーと肝臓病の関係

浜尾 先生のコホート研究では、コーヒーは肝臓にもよいというデータがあるそうですが。
古野 長期にわたる過度の飲酒が、肝臓病や肝硬変の原因となる場合が多いのですが、コーヒー飲用者では肝機能血液検査値が、非飲用者に比べ良好であること。さらには肝硬変や肝臓ガンにも予防的であるという研究も進んでいます。このような結果を分析してみると、コーヒーには肝臓保護作用があるだろうことが推測されます。
浜尾 夏は、ビジネスマンの皆さんもお酒を飲む機会が多くなりますから、とてもいいお話だと思います。先生は、1日どのくらいコーヒーをお飲みになりますか。
古野 1日5杯ほど飲みます。ただ言うまでもありませんが、コーヒーを飲んでいればお酒を飲み過ぎてもいいという話じゃありませんし、糖尿病にもならないということでもありません。基本はあくまでも普段の食生活を注意し、運動をするといった生活習慣を正すということが第一ということはお忘れなく。

用語解説

血糖値 食べ物や飲み物を消化して作られるブドウ糖が、血液中にどのくらいあるかを示す数値。糖尿病になるとブドウ糖がエネルギーを必要とする細胞中に運ばれず、血液の中に溢れる。
インスリン 膵臓で作り出され、ブドウ糖をエネルギーに変えたり、貯蔵したりするホルモン。血糖値コントロールやエネルギー確保をするうえで、欠かすことのできないもの。
合併症 ある病気が元になって起こる他の病症。余病、併発症ともいう。糖尿病の3大合併症と言われるのが糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症。
九州大学大学院医学研究院・予防医学分野 教授 古野純典氏

九州大学大学院医学研究院・予防医学分野 教授古野 純典(この すみのり)氏 1949年長崎県生まれ。1974年九州大学医学部卒業。1981年ロンドン大学疫学修士課程修了、以後福岡大学医学部助教授(公衆衛生学講座)、防衛医科大学校教授を経て、1995年より九州大学医学部教授に。主な研究分野は「癌などの生活習慣病の予防医学的研究」。近著では「がん予防最前線(上)(下)」(編者)他。

キャスター、エッセイスト 浜尾 朱美氏

キャスター、エッセイスト浜尾 朱美(はまお あけみ)氏 1961年徳島県生まれ。1983年早稲田大学第1文学部卒業。同年TBSポーラテレビ小説「おゆう」で主演デビュー。「おはようcnn」「サンデーモーニング」「アクロスザビュー」などのキャスター・ナビゲーターを経て、「筑紫哲也ニュース23」のサブキャスターを8年間務める。著書「もう結婚占いはいらない」「私の競馬」他多数。

コーヒーブレイク  自慢にもならないが、ダイエット食品にいくらお金を使ったかわからない。結論を言えば、全く効果はなかった。そういうモノを食していることに安心し、寝転がってテレビを観る、ついでに甘い物にも手を伸ばす、雨が降っているからとタクシーに乗る。これでは効く物だって効かないでしょう。ということがようやく分かったのは、ごく最近だ。
故あって、否応なく歩くようになった。疲れて起きていられないから韓国ドラマのビデオを見られなくなり、真夜中のおやつタイムがなくなった。せっかくだから21時以降に食べることをやめた。いつしか体が軽くなり、駅の階段を小走りに駆け上がっている今日この頃。・・ふと気がつくと20代の体重に戻っていた。ここに、近頃とみに愛着の深まったコーヒー。1日2、3杯マグカップで飲んでいるから、何だかますます良い具合です。
ただ飲めばいいというものではないと古野先生がおっしゃるのは、つまり、こういうことですね。
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