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その他のお知らせ

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コーヒーの国際相場の高騰について

(問)コーヒーの国際相場の高騰の背景はなんですか。国際価格が高騰しても、円高ですから輸入価格は下がっているのでないでしょうか。

(お答え)
1. 我が国は国内で消費するコーヒーの全量を輸入に依存しており、コーヒーの国際相場の高騰はコーヒーメーカーの原料費に直接影響します。

2. 喫茶店や家庭で楽しむレギュラーコーヒー(RC)は、通常アラビカ種のコーヒー生豆を原料としており、これの国際価格はニューヨーク相場(ICE)で決まりますが、2009年の平均価格はポンド(0.453kg)当り128.4セント、2010年は同165.20セント、2011年7月の平均価格は255.90セント(前年7月165.23セント)でした。最近、米国やEU諸国の財政・金融問題の顕在化などにより商品市場は全般的に一時より下落し、8月17日のICEのコーヒー価格は263.20 セントになっていますが、水準としては極めて高い水準です。

3. コーヒーのニューヨーク相場高騰の背景は次のとおりです。

(1) ニューヨーク取引所(ICE)の認証在庫は、2011年4月を底に回復するかと思えましたが再び減少し、極めて低い水準となっています。
(2010年1月10日3.33百万袋→2011年8月10日1.50百万袋 55.0%減)
(同期間にロンドン取引所認証在庫は5.62百万袋→6.84百万袋(7月23日)へ21.7%増)

(2) 米国農務省(USDA)によれば2011/12年度の世界のコーヒー消費は、対前年度比1.1%増の134百万袋(8,040千トン)と予測しています。米国の消費量は対前年度比0.8%増の24.2百万袋(1,449千トン)、EUは同3.7%増の46.6百万袋(2,796千トン)、日本は同1.7%減の7.1百万袋(427トン)と予測しています。
経済成長著しいBRICs諸国の堅調なコーヒー需要は相場上昇の要因の一つです。特に世界最大のコーヒー生産国ブラジルの消費増は価格上昇にも拘わらず著しいものがあります。(世界最大のコーヒー生産国、ブラジルの2011/12年度国内コーヒー消費量は対前年度比3.1%増の20.1百万袋(1,206千トン)と予測されています。

BRICs諸国のコーヒー消費量の推移
(単位:千袋;1袋=60kg)(出所:USDA)
  11/12 10/11 09/10 08/09 07/08
ブラジル 20,100 19,500 18,760 18,030 17,390
ロ シ ア 3,975 4,100 4,075 3,455 4,520
イ ン ド 1,500 1,650 1,575 1,825 1,728
中  国 675 575 425 320 300
計 (A) 26,250 25,825 24,835 23,630 23,938
世界生産量 (B) 135,046 137,908 126,781 133,403 121,753
A/B(%) 19,4 18.7 19.6 17.7 19.7

(注)中国について、USDA資料は中国が輸入したコーヒー生豆のみを国内消費としていますが、当協会調査では中国国内のコーヒー生産量は年々増加傾向にあり08/09年度に467千袋あったとみており、そのうち333千袋が輸出されたとみています。USDAの報告書は中国の国内産コーヒー生豆を消費に含んでいないとみられますので、消費量はUSDA報告をかなり上回っていると推測されます。

(3) 2011/12年度の世界のコーヒー生産は、2年連続で消費を上回ると予測されますが、期末在庫は引き続きタイトとみられています。数年前までは、ブラジルが裏作年に当たる年度のコーヒー生産はかなり減少することがありましたが、2011/12年度の生産は2.9百万袋(174千トン)ほどのわずかの減少と予測されています。しかしながら、在庫は引き続き小さく、この小さなクッションが供給問題として残り、価格に強いインパクトになるとみられます。

(4) 2011/12年度の世界のコーヒー生産
2011/12年度の世界のコーヒー生産は、ブラジルが2年に1度のアラビカコーヒーの裏作年サイクルのため2.9百万袋(174千トン)の減産となり、135.0百万袋(8,100千トン)と予測されています。ブラジル及びベトナムのロブスタ生産は記録的で、コロンビア(アラビカ)の生産回復と合わせると、コーヒー生産の減産は緩やかなものとみられます。

① ブラジル
ブラジルのロブスタ収穫量は、ロブスタ栽培の約75%を占めるエスピリトサントス州において良好な天候、適切な栽培管理による着果増とその後の良好な発育により、1.8百万袋(108千トン)増の14.5百万袋(870千トン)と予測されています。前の2シーズンの生産は開花期の天候に苦しめられましたが、本年度は劇的に回復しました。
アラビカコーヒー生産は、近年の裏作年と比較すると良好で、隔年サイクルの裏年に当たるものの7.1百万袋(426千トン)減の34.7百万袋(2,082千トン)と予測されています。理想的な開花、良好な天候及びコーヒー樹の良き管理が着果と発育を支えました。
結果的に、ブラジルのコーヒー生産量(アラビカ+ロブスタ)は5.3百万袋(318千トン)減の49.2百万袋(2,952千トン)と予測されています。
なお、ブラジルのコーヒー生産に大きな影響を与えるものとして降霜がありますが、生産地が北部に拡大しているため以前より影響は小さくなっていると思えます。

② ベトナム
ベトナムのコーヒー生産は、栽培に都合の良い雨季の雨により、結果として良い開花と着果となり、1.9百万袋(114千トン)増の20.6百万袋(1,236千トン)の過去最高と予測されています。コーヒー価格の高騰は、多くのコーヒー生産者に単収を上げるため灌漑を刺激し、また、高い収益が一部の農民に低い単収のコーヒー樹の植え替えを助長しています。

③ コロンビア
コロンビアの生産は1百万袋回復し10.5百万袋(630千トン)になると予測されています。コーヒーの高い国際価格に政府の支援が組み合わさり、多くの栽培者は単収改善のためにより多くの肥料、殺虫剤及び殺菌剤を用いました。しかしながら、コーヒー生産は過去5年平均の生産量11.8百万袋(708千トン)に達せず、コーヒーサビ病やコーヒーチェリーボーアを原因とした減産前の生産量です。進行中のコーヒー樹植え替え計画もまた単収を落としています。

④ インドネシア
インドネシアの生産は、多くのコーヒー生産地域の開花期に平均よりかなり多い降雨のために花が傷み、1.4百万袋(84千トン)減の7.9百万袋(474千トン)と予測されています。

⑤ インド
インドの生産は、ロブスタ生産地が開花期に不規則な雨に見舞われ単収が低くなるとみられることから、0.3百万袋(18千トン)減の4.8百万袋(288千トン)と予測されています。

⑥ メキシコ
メキシコの生産は、ある生産地域における開花期の乾燥状態のため、昨年と変わらぬ低い生産量の3.7百万袋(222千トン)と予測されています。

【 輸 出 】

(5) 11/12年度の世界のコーヒー生豆輸出は、対前年度比5.4%減の90.8百万袋(5,447千トン)と予測されています。
ブラジルの輸出量は、減産と旺盛な国内消費があるため対前年度比18.6%減の24.9百万袋(1,496千トン)と予測されます。
ベトナムの輸出は対前年度比8.3%増の19.0百万袋(1,140千トン)と予測されています。
インドネシアは前年度輸出量を27%程度下回る5.2百万袋(312千トン)程度の輸出量になるとみられています。(06/07年度と同量。)
コロンビアの輸出量は対前年度比7.1%増の9.0百万袋(540千トン)と予測されています。

【 輸 入 】

(6) 11/12年度の世界のコーヒー生豆輸入量は、対前年度比4.0%減の90.1百万袋(5,406千トン)と予測されています。
EUはコーヒー生豆の在庫水準が回復したことなどから、対前年度3.3%減の43.5百万袋(2,610千トン)の輸入と予測されています。
米国は在庫水準が改善しつつあるものの、コーヒー価格が高い状態にあることから、対前年度比3.1%減の21.8百万袋(1,308千トン)の輸入と予測されている。
日本は在庫水準が高くなっていることなどから、対前年度比11.1%減の6.2百万袋(372千トン)と予測されています。

【 期末在庫 】

(7) 世界のコーヒー生豆の期末在庫は、11/12年度末には前年度末より1.7%減少し、26.4百万袋(1,584千トン)に下がると予測されています。
消費量に占める在庫率は、08/09年度末が28.8%、09/10年度末が18.0%、10/11年度末が20.3%であり、11/12年度末には19.7%に下がると予測されています。
11/12年度の期末在庫は、EU(13百万袋→12百万袋)、米国(4.8百万袋→4.5百万袋)及び日本(2.3百万袋→2.0百万袋)いずれの地域・国も期首の在庫を下回ると予測されています。
ブラジルの11/12年度の期末在庫は同年度の期首在庫を3割弱上回る4.9百万袋(294千トン)と予測されています。
4. 以上のように日米欧のコーヒー生豆在庫の減少傾向、ブラジルのコーヒー消費増大等の基礎的需給状況を見てファンド資金が入ると推測されます。
5. このような在庫水準、新興国の強い需要状況を考えると、価格が大きく引き下がるか疑問であり、むしろ下値を中心に価格水準が変わった可能性もあると見て良いのでないでしょうか。
特に、ブラジルの大増産の下でコーヒーの国際価格が高騰するという、過去に経験しなかった現象が起きていることです。
コーヒーの需要増が顕著なブラジルは、同国の通貨レアルが高いため、コーヒーの国際相場(ドルベース)が高くならないと、輸出インセンティブが働かなくなっているといわれます。

【 円ベースの輸入 】

6. 我が国の為替相場は、2009年度の対ドル平均相場は92.85円、2010年同85.71円、2011年7月には79.47円と円高基調が続いていますが、コーヒー生豆の2010暦年の輸入CIF価格は対前年同期比で9.6%高くなっています。本年1月~6月までの輸入CIF価格は前年同期比35.6%アップとなっています。この輸入CIF価格はアラビカ種に比べ値上がり率の低いロブスタ種も含まれていますので、アラビカ種に限れば更に上昇率は高いとみられます。実際、アラビカ種のみ輸入されるコロンビア国からのコーヒー生豆の輸入CIF平均価格は2010年が09年に比べ26.6%アップ。2011年1月~6月では前年同期比39.5%アップとなっています。
以上のように、コーヒー生豆の日本の輸入価格は、過去に例のない長期の円高状況下にあっても前年度をかなり上回っており、為替差益は生じていません。
7. 通常、国際商品相場は価格が上昇すると需要が落ち、価格が下落に向かうプライス・レーショニング(price rationing)効果が働きますが、今回のコーヒー相場には、未だそのような力が働いていないようにみえます。

ニューヨークコーヒー先物相場の月平均価格の推移(単位:セント/ポンド)
2007年平均 1月 2月 3月 4月 5月 6月
  123.76 119.74 114.38 112.29 111.28 118.22
121.83 7月 8月 9月 10月 11月 12月
  115.61 121.64 127.74 134.36 127.80 135.08
2008年平均 1月 2月 3月 4月 5月 6月
  138.52 155.83 146.75 136.23 137.03 143.59
136.46 7月 8月 9月 10月 11月 12月
  144.31 144.26 140.72 121.11 117.23 111.91
2009年平均 1月 2月 3月 4月 5月 6月
  119.75 117.29 113.47 118.48 131.43 129.39
128.40 7月 8月 9月 10月 11月 12月
  122.42 132.05 131.33 140.77 140.33 144.08
2010年平均 1月 2月 3月 4月 5月 6月
  142.76 134.35 134.97 135.12 135.81 152.36
165.20 7月 8月 9月 10月 11月 12月
  165.23 175.10 187.80 190.43 206.92 221.51
2011年 1月 2月 3月 4月 5月 6月
  238.05 261.41 274.10 285.58 277.72 262.52
  7月 8月 9月 10月 11月 12月
  255.90          

(出所)ICO等

ニューヨーク及びロンドンの認証在庫
(各月10日前後時点)(単位:百万袋)
  1月 2月 3月 4月 5月 6月
NY 3.33 3.15 2.99 2.73 2.64 2.55
LO 5.62 5.13 4.84 4.50 3.77 3.49
  7月 8月 9月 10月 11月 12月
NY 2.39 2.29 2.25 2.06 1.97 1.93
LO 3.56 3.60 3.67 3.65 3.68 3.69
  2011年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
NY 1.85 1.61 1.58 1.57 1.63 1.67 1.62 1.50
LO 3.88 3.88 4.20 4.66 5.04 6.68 6.83  

(出所)ICO等

(注)1.NYはICE、LOはLIFFE。
2.上段1月から下段12月までは2010年。

日本のコーヒー生豆在庫実績調査(単位:千トン)
  2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
1月 130 111 105 98 112
2月 122 109 109 99 115
3月 116 109 114 102 118
4月 110 109 119 103 126
5月 113 117 125 104 133
6月 116 122 132 109 141
7月 121 122 134 114  
8月 129 124 132 118  
9月 130 118 123 117  
10月 126 111 111 112  
11月 119 103 105 107  
12月 112 101 101 105  
平均 120 113 118 107  

(出所)2010年3月までは農林水産省調査、同年4月以降は社団法人全日本コーヒー協会の調査である。



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