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最終話 がんばれバリスタくん

コーヒー農園での楽しい日々は、あっという間に過ぎていきました。

ある朝のことです。ホセさんの庭の草地で静かに休んでいたポット号から、しゅんしゅん、と熱い蒸気が立ちのぼり、その音は次第に大きくなって、やがて「ポッポー!」力強い汽笛があたり一面に響きわたったのです。

「あらっ?もうその時が来たのね。」コーヒーマイスターがはっと顔を上げました。「もうそろそろだと思っていたよ。」ホセさんはコーヒー豆を挽く手をとめ、やさしく微笑んでいます。サイフォン兄弟とコーヒーカップーが、「やったね!バリスタくんっ!!」いっせいにバリスタくんにかけよりました。遊びに来ていたミスターインスタントとさとうさんもにっこり。「おめでとう、バリスタくんっ!」最後に、コーヒー豆太郎がいいました。「さあバリスタくん、コーヒータウンに帰ろうっ。」

「一体どうしたの、みんな?」目を丸くして、ほっぺをまっかにしたバリスタくんに、ホセさんがやさしく教えてくれました。「よくがんばったね、バリスタくん。君はもう立派なコーヒーマスターだよ。」コーヒーカップーが続けます。「コーヒーの木のことも、コーヒー豆の種類のことも、コーヒーベルトのことも知ってるし。」「焙煎・ブレンド・グラインドにもくわしくなったよね。」とサイフォン兄弟。「インスタントコーヒーのことだって、立派に知っておるしな。」ミスターインスタントがいえば、「コーヒーのおいしい入れ方も、もう大丈夫さ。」とさとうさん。「だから、もうコーヒータウンに帰っても大丈夫だって、ポット号が教えてくれたんだよ。」コーヒー豆太郎の声に、みんなが大きくうなずきました。バリスタくんのコーヒーをもっと知るための冒険が終わりの時をむかえるのです。

「ポッポー!」ポット号はぐんぐん青い空へと飛び立っていきます。そして、あっという間に手をふるみんなの姿が小さく見えなくなってしまいました。「ありがとう、みんな。また、遊びにいくよ。」バリスタくんは、ちょっぴりさみしい気持ちになってつぶやきました。

それから1年後…バリスタくんはどうしているでしょうか。

コーヒータウンのコーヒーハウス「コーヒーチェリー」は、今日も大にぎわい。コーヒーを使ったいろんなレシピも大人気、カウンターの中ではバリスタくんとコーヒーマイスターが忙しく、とっても楽しそうに動きまわっています。コーヒー豆太郎は大好きなカフェラテを片手に、ホセさんたちへはがきを書くのが毎日楽しみ。そんなお店を見まわしながら、コーヒーチェリーばあさんはお気に入りのロッキングチェアーの上で、満足そうに目を細めるのでした。

これでバリスタくんのお話はおしまい。
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